「緩やかな午後のカフェで
 おいしいとなりに、詩はいかがでしょう。

 p-cafeは、詩のカフェです。
 ドリンクに詩がついてきたり、
無料ライブもありますよ。
 ゆったりと届いたままに、
あなたの[p] をお持ち帰りください」
2005.04.29(金・祝)
2005.04.29(金・祝)
2005.04.29(金・祝)

【LIVE info.】
12月9日(土)
 ●17:00〜 sasa
with 平島(カホン)
●18:00〜 ステレオシスターズ
●19:00〜 カワグチタケシ

(※各回ともに投げ銭制です)

syfte.
2005年発足。リーディングや冊子の形態にとらわれない、新しい詩の届けかたを模索するプロジェクト。詩と写真を組み合わせた「pp」(poetry+picture)、映像と音楽を絡め詩を「音(の色)」の側面からとらえる「neiro」、そしてカフェの日常の中に詩をちりばめる「p-cafe」など、「詩」と「そうでないもの」を組み合わせる様々なイベントを企画している。http://www.syfte.jp/
「詩をカフェの日常に忍ばせたい」。一体どんな方法で?とちょっぴり不安を感じつつも、藍かすみさんの今回の企画を楽しみにしていましたが、どこまでも自然に詩と喫茶が溶け合う素晴らしい一週間となりました。まず、飲み物をオーダーするとこんな形(↓)で可愛いリボンに包まれた一片の詩が供されます。内容は開けてみてのお楽しみ。
おみくじのような気分なのか、皆さんワクワク顔で包みを開き、言葉を噛みしめ、しっかりポケットに収めて持ち帰っているのが印象的でした。お互いの詩を見せ合いながら、届いた言葉の意味をめぐって盛り上がるグループも多く、作家さんたちに紡がれた言葉のパワーを実感しました。また、一片ずつ購入できる「詩のメニュー」も別に用意されていて、こちらは注文すると封筒の形(←)で振舞われます。音楽にたとえるなら、詩のサービス=試聴、詩のバラ売り=CDシングル、といったところでしょうか。面白い試みです。
9日(土)夕方からは、ゲストを招いての詩の生ライブが催されました。あいにくの雨模様にも関わらず、店内は満員御礼。熱い競演が繰り広げられました。
SASAさんは手話を使って詩を表現。静寂の中での一挙手一投足、そして豊かな表情に視線は釘づけです。後半はカホンの平島 聡さんとのセッション。最後はトランペットの小西てつろうさんが飛び入りで加わり、ムーディに夜のとばりが降りていきました。声のない朗読、いやはや感動的です。
ステレオシスターズさんは、文字通りの二人編成。一句一句、ホロリホロリと可愛らしく、交互に放たれるお二人の言葉には「間」が生きていて、雨音と調和しながら緩やかなリズムが胸に響いてきます。最後の詩では、お客さまも一緒になって「ひ、ひ、ふ〜」と声を上げ、吐息で雲を作るしぐさを。心温まる一幕でした。
そして、明瞭な発声と流れるような読み上げで、ストレートに言葉を伝えてくるカワグチタケシさん。ずっと耳を傾けていたくなる美声の持ち主です。リアルな心情描写、そして物語を読んでいるかのようなストーリー性を強く感じる内容です。体が自然と動いてしまうご本人の様子に、内なる熱きものを感じました。
期間中、詩が刻み込まれたオリジナルアクセサリーの販売も。どうやら藍さんの頭の中には、詩にまつわるアイディアが無数に潜んでいるようです。